8:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(関西地方)[saga]
2012/08/29(水) 23:55:01.07 ID:x68eWxlN0
私は、おかしいのだ。小さい頃はよく動物と会話していたことを他人に話した。家族にも、話した。
けれど人と違うことを自覚してからはなにも言わなくなった。それでもお姉ちゃんにだけは伝えた。お姉ちゃんならわかってくれると思っていた。
でもある日、私は母親にこっぴどく叱られた。もうやめて、と。見たことない顔で、声で、言われた。その後ろには、お姉ちゃんの怯えた顔があった。
たぶん、私たちの間の距離が遠ざかり始めたのは、その頃からだった。そのことがあっても変わらずに接してくれるお姉ちゃんに、私も変わらず
接せるはずなんてなかった。母親とは言うまでもなかった。母親が亡くなったとき悲しかったのは確かだ。けれど、どこかで自分を憎んでいるお母さんがいなくなって、肩の力が抜けた気がした。
お姉ちゃんへの劣等感だけじゃない。罪悪感も重なって、私は時々、お姉ちゃんの前でどんなふうにしていればいいのかわからなくなる。
冷たいコーヒーを喉の奥に流し込む。
いつのまにか朝のニュースは終わっていて、今朝のロス十分を忘れていた私は慌ててテレビを消し鞄に弁当箱を詰め込んだ。いってきます、は心の中だけで、家を飛び出した。
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