過去ログ - 千早「不器用な私と不器用なプロデューサー」
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123:投下[sage]
2013/06/09(日) 18:44:51.96 ID:DIhk0X5f0

 最初の大きな花火を皮切りに空には次々と光の線と花があがっていたいた。

P「……」

 プロデューサーは私から目を背けると地面を……いや、何も見てはいないのだろう。
 ただ目線だけを地面に向けて、


P「……怖かったんだ」


 やがてこぼれ出たようにポツリと呟いた。


P「怖かった……いや、怖いんだ。間に合わないことが。守れないことが。
  あのとき、俺は俺を信じてくれていたあいつに応えてやれなかった。救えなかった。
  だからあの日にちゃんと返事をして、お前とあいつを同じ状況にして、必ず迎えに行くなんて俺には言えなかった」


 プロデューサーに見えた大きなささくれ。
 それはきっと私にもあるものと同じ、大きくて決してとれないもの。
 たとえ誰が許しても自分自身が許せないから一生引きずっていくしかないもの。


P「……自信がないんだ。
  俺なんかに期待をしてくれる、信頼してくれている……好きでいてくれる人を裏切るのが一番嫌なんだ。
  だから俺はお前にどうしても……今だって、堂々とむこうで待ってくれなんて言えない。
  それが我が身可愛さの言い訳だってわかっていても……」

 私は何も言わなかった。だって私もプロデューサーと同じだったから。
 プロデューサーが一緒に来てくれると思ったからアメリカに行こうと思った。いけると思った。
 結局、私の決断なんてものはプロデューサーありきのものだったのだ。
 なのにさっきまでそんなことにも気づかずに一人で馬鹿みたいに強がっていた私に何かを言う権限はない。



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