70:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします
2012/09/08(土) 23:29:42.95 ID:Ad5iID2O0
夜空「よ、よし。トモちゃんと一緒にカラオケを下見にいくか」
駅のホームを出たらすぐに格安のカラオケ店があるのを私は知っている。リア充になった時のために困らないようにと調べておいた。
だが調べておいただけで、行ったことなんて一度もない。中学校生活三年間、友達なんていなかった私には絶対に縁のない場所だったからだ。
学校が終わったら速攻で直帰していた私は当然、寄り道なんてしたこともなわけで……
私にはカラオケなんて手が届かない。いや、届くことさえ許されない天上の領域だったのだ、
西遊記で例えて言えば、『天竺』と言うところか。当時、非リアの私にはカラオケというのは眩し過ぎる場所だった。
夜空「……高校デビューするって私は決めたんだ。リア充になる為には避けては通れない道、行くしかないっ!!」
正直、足が竦む。だってカラオケなんてリア充が行く場所で、非リアの私は行く資格があるのか分からないからだ。
『お前、リア充じゃないなっ!?立ち去れぇぇぇえ!!!!』なんて怒鳴られてしまうのかもしれない。
行かない。という選択肢も取れるがそうもいかない。
私がリア充になった時、一度もカラオケに行ったことがないなんて、もうそれだけで非リア確定だ。
『行ったことないなんてヤバイな……』とか『三日月さんって非リアなんだね……』とか絶対言われる。それだけは嫌だ。
なるべく早く済ませていたほうが良い。
夜空「それにカラオケというのは物凄く楽しいらしいしな、よし!行こう」
どうせ行くなら楽しんでいこう。今日で結構リア充に近づいた気がするし、行っても平気だろ。
トモちゃんもいるし大丈夫だ、大丈夫。頑張れ!私。
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