159: ◆WNrWKtkPz.[saga]
2012/09/02(日) 16:51:37.60 ID:HWgRP/gU0
「修平は逃げて」
私は逃げずに悠奈に加勢する事にした。
相手はチェーンソーを棒きれの如く振り回すサイコパスだ。
悠奈1人ではまるで歯が立たない可能性があるだろう。
「瀬奈、逃げなさい! こいつは私が足止めしておくから!」
「悠奈が逃げないなら、私も逃げない」
「あぁ、もう! 後で説教するからね?」
聞き分けが無いと悟ったのか、悠奈は拳銃をメイドに向けて即座にトリガーを引く。
「なっ……」
「修平様に憑りつく疫病神には、消えて貰います――」
メイドは人間とは思えない速さで銃弾を回避して、こちらへ向かってきた。
「くっ……この!」
悠奈は転がりながら自由に舞うチェーンソーを避けて、銃を連発した。
「遅いですね――」
「…………ッ!」
異常な瞬発力で飛んできたメイドの攻撃を悠奈は間一髪で回避した。
「この、化け物が……!」
「心外ですね。私は修平様に永遠の愛を誓った従者ですよ――」
しかし、悠奈も相手の動きになれてきたのか銃弾をチェーンソーに執拗に放ち続けた。
「この……!」
すると、チェーンソーの刃が曲がり始めて、上手く回らなくなってしまっていた。
「降参しなさい。さもなくば、あなたもここで死んでもらうわ!」
「…………」
気がつけばメイドは悠奈と私に挟まれている形になっていた。
「……ふふ、そうですね。降参しましょうか――」
そういってメイドは血まみれのチェーンソーを捨てて両手を上げる動作をしようと――
「――あなたには」
その瞬間、私の身体はいつの間にか浮いていた。
「瀬奈! この……ッ!」
「ぁ…………ぅ…………」
メイドは尋常でない速さで私と悠奈の銃弾を避けて私の首を絞めていた。
「修平様にまとわりつく小娘には、死んでもらいます」
悠奈が拳銃を向けているが、恐らく撃っても私を盾にするだけだろう。
まさに絶体絶命だった。
視界がどんどん、暗くなっていく――
あぁ、修平…………
修平、助けて――――
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