507: ◆WNrWKtkPz.[saga]
2012/11/02(金) 00:23:05.21 ID:KfRQmV3m0
【20;00】
僕はかりんに支えられながら近くの部屋に入り、しばらくじっとしていた。
「はい、コーヒー。確かミルクだけだったよね?」
「……うん」
かりんの話によると、僕が合流地点になかなか着いていなかったため、探しに行くことにしたらしい。
そして、途中で銃声が聞こえたのでそちらへ行くと……僕を見つけたようである。
「手塚のPDAは10だったよ。……あいつも、意味も無く誰かを襲ってたわけじゃないみたいだね」
動けない僕の変わりに、かりんがあの死体からPDAを取ってきたようである。
10と言えば、首輪を5つ作動させるものであり難易度もかなり高いものだろう。
「祐司のおかげで…………私の首輪を外すためのPDAが後3個になったよ! ありがとう、祐司!」
かりんが僕の冷たくなった手を握って来るが、僕は大きく反応することが出来なかった。
「…………後悔、してるの?」
かりんが遠慮がちに僕に質問してきた。
「……分からない」
分からない――
僕自身の事なのに、何もわからない――
「祐司は、後悔なんてしてないはずだよ」
「…………え?」
「だって、祐司は意味も無く人を殺したりなんてしないよ」
「そう、なのかな……」
「うん、絶対そうだよ! 私が保証する――」
隣に座ったかりんが、僕の手を優しく包み込んでくれる――
「…………ぁ――」
その瞬間、僕の感情を閉ざしていた壁が一気に砕け散った――
「あぁ…………っ………………うああああぁぁぁ!!」
「うん……祐司は頑張ったんだよ。私は“こんなこと”で祐司を軽蔑したりしないから……安心して?」
「っ…………かりん――」
「うわっ……ちょ、ちょっと…………いきなり抱きつかないでよ!」
僕は、かりんの温かみを感じながらしばらく泣き続けていた――
――――――
――――
――
今日はこの辺で。
今週末、来週は忙しいので更新が遅くなるかもしれません。
では
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