596: ◆WNrWKtkPz.[saga]
2012/11/10(土) 01:17:08.45 ID:UCEH3NP90
「貴方は、貴方のために死んだ葉月さんの思いを無駄にする気ですか?」
「それは……」
「僕は葉月さんの事については良く知りませんが……自分の身を挺してまで庇ったということは、少なくとも貴方に生きて貰いたいという思いがあったはずです」
「…………」
「ああ、でももしかしたら貴方が本当の意味で“死ぬ”ために葉月さんは死んだのかもしれません。あなたに簡単には死なせずに、最後までもがき苦しみ、追い詰めて――」
「葉月さんはそんな人じゃないッ!! 葉月さんは……葉月さんは思いやりがあって、人間として本当に素晴らしい人なんだ!」
御剣は僕に深く迫りよって、大きな声を上げる――
「……なら、どうして貴方はそのような人の思いを裏切るのでしょうか? また、矛盾してますよ?」
「………………俺は――」
「分かってます。すみません、少し意地悪をしてしまいました。ただ、御剣さんにはもう少し自分の命を大切にして貰いたいと思ったので」
これ以上責めたてても、どうしようもなさそうだ。
「もうこれ以上はこの事について、“僕からは”言及はしません。だから、後は御剣さん次第ということで……」
「俺次第……?」
「えぇ、もしそのバラバラになっている思いが1つに定まった時、僕に相談して貰えれば一緒に考えますよ。まあ、今の御剣さんの状態ですと到底定まるとは思えませんがね……」
「桜井…………」
「勘違いされると困るので言っておきますが、僕やかりんにとって不利益な事が起きない範疇内の事しか僕は提案できませんからね? そこのところは譲れませんから……」
「あぁ、分かった。もしその時は頼むよ――」
僕はようやく求めていた握手を交わすことができた――
――――――
――――
――
今日はこの辺で終わります。
若干御剣がゲームに対して理解があるように補正をかけていますので、原作のような感じにはあまりなってませんがご了承を。
923Res/412.61 KB
↑[8] 前[4] 次[6]
板[3] 1-[1] l20
このスレッドは過去ログ倉庫に格納されています。
もう書き込みできません。