707: ◆WNrWKtkPz.[saga]
2012/11/18(日) 16:18:18.14 ID:klP1I7BZ0
「僕にはかりんが必要なんだ……ッ!」
僕は震えそうになる手を制しながら、かりんを抱き続けた。
「どうして……? 私、何の役にも立ってないよ……?」
「それこそ間違いなんだッ! かりんが居ないと、僕はこのゲームでまともにやっていけ無かった。君だから……かりんだから、僕は傷ついて欲しくないんだ……ッ!」
「祐司……」
僕はありったけの思いをかりんにぶつけながら、いつの間にか涙を流していた。
「僕はかりんの事が好きなんだよ……! だから、僕は自分の身を犠牲してでも守ろうって……ッ!」
「す、好き――!? ちょ、ちょっと祐司、いきなり……っ!!」
「…………あ。い、いまのは――――」
僕は突発的に言ってしまった言葉を思い出して、顔に血が上るのを感じた。
「――わ、私も……祐司の事が、す、好き、だよ……っ!!」
かりんが僕の胸にうずくまる様にして、顔を隠した。
僕の心臓の鼓動はこれでもかと言うくらいに速まり、その勢いで破裂してしまいそうだった。
「え、えっと……これって僕たちが、相思相愛ってこと、で良いんだよね?」
「う、うん…………っ」
落ち着きを取り戻そうにも、今の状況による興奮度は僕の許容量を超えていた。
「……か、かりん。その、こ、これからも……よ、よろしく」
「うん…………えっと、少し、痛いかも」
「あ……ご、ごめん!」
僕はいつの間にか物凄い力でかりんを抱き寄せていたようである。
咄嗟に離れるとお互いに、無言になってしまった……。
「…………ふふ、らぶらぶですね〜?」
そんな2人に聞こえてきたのは、渚の黄色い声だった――
そうだ、渚はさっきからずっと僕たちの事を見ていたんだ――
「――――――ッッッ!!」
穴があったら入りたい、というのはこういう気持ちなのだろう――
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