過去ログ - ロバート「葉君と八重ちゃんは似合いのカップルだね」
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3: ◆lc8fM/f/jN38[saga]
2012/09/03(月) 04:55:47.12 ID:P1Wtri/Z0
東京都某所、アンベブ・ナッセンティ本社工場。

工場長「葉。機械がショートしちまった! 配線を交換してくれ!」

葉「……」

工場長のヘルプに応じた少年の名は、三枝葉<さえぐさよう>。
アンベブ・ナッセンティの役員夫妻の長男であり、幼い頃から本社工場を遊び場にしていた。
そのため社員たちとは顔見知りである。
居候であるロバート・ブルース・バナー(※)のレクチャーで機械関係にはかなり強く、今では数万円の駄賃に釣られて配線の交換とかもしている。
…現在小学六年生。
いくら腕が立つ&中小企業とはいえ、小学生に設備の応急処置を頼む工場というのも、物凄く情けないと思う。

※:コミックや映画では専ら「ブルース」と呼ばれているが、『バットマンの表向きの顔の方』と混同される可能性を考慮して、本SSでは台詞・地の文の両方共にファーストネームで呼称しています。

工場長「いっつも頼んでる方が言えた義理じゃないけど、駄賃は何に使ってるんだ?」

工場長「最低でも4万円以上は包むから、どうしても使い道が、な?」

葉「デートの時とかに使うから、貯金してる」

工場長「………女がいたの!? で、誰なのさ?」

葉「クラスメート。黙っててくれよ」

そう言って黙々と配線の交換を終えた葉。

工場長「サンキュー。ちょっと待ってな。駄賃持ってくる」

工場長が走って行ったため、葉は工場のラインに乗って流れるガラナリア(※)を、葉は只々見続けた。

※::ワールドカップブラジル代表の愛称『カナリア』と原材料の『ガラナ』を組み合わせて命名された、アンベブ・ナッセンティの主力商品。
  ちなみに中身はガラナの種のエキスを混ぜて、炭酸と黒砂糖、甘味強化のための健康的新型人工甘味料を注入してソーダ化した、黄緑がかっているハーブ水です。

かつては、遊び半分で瓶の箱詰めを手伝っていたこともあった。
だが、それも今では叶わないこと。
小学四年生の時、原因不明のめまいで倒れた葉は、そのまま入院することとなった。
突発性で重度の自律神経失調症との診断を受け、数か月の入院が決まる。
しかし、実際は小児がんであり、精神的ショックを考慮して本人には告知されなかったのである
余命数ヶ月であり、両親と主治医の会話を聞いて不審に思った葉は後日、その場に居合わせた看護師を問い詰めて、自身が末期の小児がんであることを確認した。
主治医と両親の予想通り葉は多大な精神的ショックを受けた。
それと同時に、両親にその病院の理事の一人が声をかけた。
「お子さんに、新型の即効性超強力抗癌剤の臨床試験に協力してほしい」
一縷の望みをかけた両親は、「自律神経失調症からすぐに回復する薬」の臨床試験に参加してみないか、と嘘をついて葉に説明。
葉の方も、両親の言葉から抗癌剤だと悟り、藁にも縋る思いで快諾。
こうして、臨床試験が行われたのだが……。
以下、回想。




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