過去ログ - 奉太郎「守りたいもの」
1- 20
21: ◆yufVJNsZ3s[saga]
2012/09/05(水) 15:29:32.85 ID:kQdfAHEF0
 農家ネットワークのトップにいるのが千反田家だ。考えてみれば確かに、リーダーとしての仕事がこの時期に重なるのかもしれない。
 どのような仕事をしているのか、俺には想像もつかない世界だ。農家と言えば年がら年中土と触れ合うばかりのイメージしかないが、それだけで作物が売れるなら、みんな農家になっていることだろう。

「大変だ」

 月並みな俺の台詞にも千反田は楚々として笑って、

「はい。だから、携帯電話をせっかく買っても、あんまり使う機会もないんですよね。折木さんは持たないんですか?」

「使いこなせる気がしない」

「持つつもりは」

「当分ない」

「そうですか。……私、友人とメール交換をしたり、夜遅くまで電話で話したりするのが夢だったんです」

 千反田の家に行ったこともあるが、広い割には音の響きそうなつくりだった。家柄も厳しそうだし、その辺りは思うようにはならないのだろう。

「伊原とでもすればいいだろう」

 なんとなく、俺ははぐらかす。

「まぁ、そうなんですが」

 答える千反田の様子もどこかぎこちない。



<<前のレス[*]次のレス[#]>>
78Res/58.09 KB
↑[8] 前[4] 次[6] 板[3] 1-[1] l20
このスレッドは過去ログ倉庫に格納されています。
もう書き込みできません。




VIPサービス増築中!
携帯うpろだ|隙間うpろだ
Powered By VIPservice