29: ◆yufVJNsZ3s[saga]
2012/09/05(水) 16:21:58.48 ID:kQdfAHEF0
千反田は驚いたような、それでいて納得したような表情で俺の話を聞いている。
「里志は渡り廊下を使わなかったんじゃない。あいつはずっと図書室にいたんだ。職員室に行ったのは、まぁ、普通に用事があったんだろうな」
「……」
千反田がぼそりと伊原の名前を呼んだ気がした。それを聞かないふりして、立ち上がる。
「帰るか。暗くなる前に、お前も帰れ」
太陽は両線の向こうに半分ほど隠れている。西日に思わず目を細めるが、空気の澄んだいい天気で、気分はすこぶる晴れやかだ。
ややあってから千反田も立ち上がった。すっきりとした表情で鞄を掴む。
「じゃあ、行きましょうか」
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