34: ◆yufVJNsZ3s[saga]
2012/09/05(水) 23:17:01.00 ID:KdB599sE0
「それで、どうして俺に」
「もしかしたら用心に越したことはないかと思ってさ」
不思議な前段だった。里志は続ける。
「僕が総務委員会だったからわかったようなものだよ。被害者の三人は全員同じ携帯電話を持ってた」
「同じ携帯電話」
「そう。で、ここからが本題なんだけど、その携帯電話って、ホータローや千反田さんが持ってるやつと同じなんだ」
一瞬里志が何を言っているのかわからなかった。
理解してなお、疑わしい。俺は尋ねる。
「……冗談だろ?」
「だったらどんなにいいか」
俺はポケットの中に手を突っ込んだ。いつぞや拾った携帯電話。持ち主不明のまま、制服の肥やしになっている。
「これか」
「そう。色までどんぴしゃ」
銀色の携帯電話は俺の手の中で鈍く光っている。嫌な予感などどこ吹く風のように。
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