過去ログ - オッレルス「安価でフィアンマと」上条「恋人になりたい」
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384: ◆2/3UkhVg4u1D[saga]
2012/09/25(火) 19:34:54.91 ID:SapyExT70

そしてふとオッレルスに視線を移すと、眼前の鼻を指で摘んだ。
きょとんとしながらもあまり動揺せずに口呼吸へ切り替える彼の様子を見、フィアンマはつまらなそうに指を離した。

フィアンマ「…少しは驚いてみせたらどうだ」

オッレルス「泣きやめと言ったり驚けと言ったり忙しないな君は」

フィアンマ「退屈なんだよ」

すっかりといつもの調子を取り戻して、オッレルスは穏やかに笑った。
この笑顔が好きだな、と思って、フィアンマは押し黙る。
あまり好きだとか何だとか考えると、また呼吸が苦しくなりかねない。
こんな症状を引き起こすのに何だって人は恋愛などするのだろうか、と考え。
そもそも自分ももう既にその中へ組み込まれてしまった人間じゃないか、と心中で笑った。

フィアンマ「…お前は優しいが、弱いな」

オッレルス「…、…」

フィアンマ「だから、俺様が守る」

力量では勝るとも劣らないけれど、自分が泣いた位で泣いてくれるこの男を守りたいな、とフィアンマは思う。
上条が言った意味とは違うけれど、これもまた『世界を知る』ということなのだろう、とも。
自分が何も見ようとしなかったが故に知らなかった、でも無意識下で焦がれたものを、望めば望んだだけ、この男は与えてくれるのだ。
その分返したいと思うのは、悪い事ではないはずだ。

オッレルス「…ありがとう。でも、」

フィアンマ「普段はお前が俺様を守るんだろう。…だから、お前が弱くなった時は、俺様が抱いて支えてやる」

魔術的に、実生活的に、さほど役に立たないこんな左腕でも。
彼の頭を撫でて、背中を摩って、涙を拭えるのなら、充分役立てられる。
オッレルスはフィアンマの頬に触れ、顎を指先で上げ、優しく唇を重ねた。
柔らかい心地良さに目を閉じ、フィアンマは幸福そうな笑みを浮かべる。

フィアンマ「…好きだ」

愛する能力が無いなら、どうにか二人で創っていけばいいと言うから。
その言葉に甘えて、少しずつでも、オッレルスへの愛情を形作る。
この恋心が、深い愛情に変わるまで。

オッレルス「俺も、好きだよ」

優しさの海の中で幸せに溺れていられるのなら、このまま、ずっと。








おわり


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