過去ログ - オッレルス「安価でフィアンマと」上条「恋人になりたい」
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◆2/3UkhVg4u1D
[saga]
2012/09/06(木) 19:47:02.41 ID:dpL31S2m0
カチャリ、と必要以上にドアノブを捻らず、あまり音を立てないでドアを開ける。
入った部屋はオッレルスの部屋。予想していた通り既に眠っているようで、穏やかな寝息が響いていた。
フィアンマ「……」
静かにする事を心がけながらフィアンマは近寄り、ギシ、と少しだけ音を立ててベッドに乗ると、毛布の中に潜り込んだ。
相手は女の子でないため特別甘くて良い匂いはしないが、オッレルスからはどことなく暖かで柔らかな匂いがする。
慣れも含まれているが、その辺りに癒しを感じ取りつつ、フィアンマはベッドへ横たわった。
ダブルベッドではないため狭く、つまりはオッレルスにくっつく体勢、ほとんど抱きつくような状態になるが、嫌悪感は無い。
人と身体的接触を持つ事は好きでもないし、嫌いでもない。
オッレルス「…ん、…」
眠っていながらも隣に何らかの存在が増えた事に感づいたのか、オッレルスは眉を潜める。
無意識の部分でフィアンマを敵ではないと判断すれば、半分意識は眠った状態で目を開けた。
オッレルス「…フィアンマ…?」
フィアンマ「…そうだが」
オッレルス「……、」
眠そうな表情で、オッレルスはフィアンマを抱き寄せた。
彼の方がフィアンマより少し身長が高いので、フィアンマは自然とオッレルスの表情が見えなくなる。
ただ、漠然と降り注ぐ好意の正体が掴めないまま、フィアンマは警戒せずに身を委ねた。
オッレルスの事は、嫌いではない。好きでもない。
利用する必要は無いが、自分に優しくしてくれるので、邪険には扱わない。
恋愛の関係した生活の変化を好まないフィアンマとしては、好意的な関係のその先へ進みたいという願望は無い。
だから、自分の想いの見直しはしない。誰を好きなのか、自分に問いただしたりしない。
オッレルスはフィアンマを抱き寄せたまま、彼の頭を撫でる。
さらさらとした髪の毛は表面がつやつやとしており、女性のソレと同じく、触り心地が良い。
シルビアの髪を触った方がもっともっと心地は良いだろうと頭でわかってはいても、オッレルスはフィアンマの髪を触っていたいと思う。
あばたもえくぼか、この例えは少々違うのかもしれないが、同じ特徴を見た場合、好きな人を上位に持ってきてしまうのは不可抗力だ。
フィアンマの頭を撫でている内にやがて手が止まり、オッレルスは再び眠りに堕ちた。
オッレルスの寝顔をしばしじっと見つめた後、フィアンマも目を閉じる。
何の問題もなく、夜は更けていった。
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