856: ◆Oe72InN3/k
2012/09/28(金) 23:11:01.77 ID:r8l++/tV0
必死に走る、追ってくる奴は居なかったが……それでも、必死に走る。
昇降口から出て、校門へ。
ふと、屋上に目を移した。
入須「……」
そこにはまだ入須が居て、遠くからだったのでよく分からなかったが……笑っていた気がした。
える「……あ、あの……! おれ……き、さん!」
途切れ途切れに、千反田が口を動かしていた。
その言葉で俺は前に向き直り、千反田に言葉を返す。
奉太郎「あとで……話す!」
奉太郎「今は……とりあえず……付いてきてくれ!」
千反田は返事をしなかったが、少しだけ強く握られた手に意思を感じる。
俺が向かった場所は、自分でも良く分かっていなかった。
目的地を決めていた訳では無かったので、当たり前と言えば当たり前かもしれない。
……どこか、静かに話せる場所がいい。
なら、あそこか。
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