過去ログ - 姪「お兄ちゃんのこと、好きだよ?」男「……そう?
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11:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします[sage saga]
2012/09/10(月) 22:11:02.93 ID:f2pJeNOlo

 ヒーローショーに間に合うような時間に出発したものの、それを楽しむのが目的ではなかった。
 むしろ、目的なんてなかったと言ってもいい。姪は今年十歳になる。僕とは七歳離れていた。
 
 十歳ともなれば、ヒーローショーを無邪気に楽しむ、とはいかない。しかもその日のショーは男児向け。
 体よく追い払われたのだ、と僕は思っていた。

 姉は二十八歳のシングルマザーだった。十八のときに妊娠し、結婚。子供を産み、翌々年の春に離婚した。
 それ以来ずっと実家で暮らしている。二十代前半の頃から、いつかは家を出ると言い続けたが、結局この年まで居座っている。

 仕事が忙しいと言い訳して、若いころから子供の面倒はろくに見なかった。
 まだ姪が小さいとき、一度でもおむつを替えると、誇らしげに面倒を見た気になっていたものだった。
 
 実際には、おむつどころか服や靴下ですら自分の金では買い与えず、幼稚園の入園準備すらろくにしなかった。
 すべての世話を父母に任せ、自分は外に彼氏を作っている。
 幸か不幸か容姿だけはたいした美貌だったので、男にはいつも困らなかった。
 とはいえ、バツイチで子持ちで二十八だ。まともな交際を考える男がどれだけいるだろう?
 
 姪がいなければ、バツイチでなければ――とっくに新しい男との生活を歩めたのに、と姉は考えているだろう。
 もちろん口先では愛しているだのなんだの言っている。半ば義務的、もしくは強迫観念的に。
 



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