過去ログ - 姪「お兄ちゃんのこと、好きだよ?」男「……そう?
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20:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします[sage saga]
2012/09/11(火) 11:49:50.47 ID:Id582b34o

 背筋が粟立つのを感じた。僕は扉から少し離れた。ひどく気味の悪いものを見たような気分。
 なぜ、どこにも繋がっていない扉に鍵がかかっているんだろう。開けるための扉に、なぜ鍵がかかっているんだろう。
 ひどく不安な気持ちになる。その気持ちを振り払うために、ことさら明るく考えようとした。

 ちょっとした手違いか何かで開かなくなっているだけだろう。
 これだけの数のドアがあるのだから、そんなことがあってもおかしくはない。

 そう考えてみても、気分は落ち着かないままだった。
 
 しばらく呆然としていると、後ろから声を掛けられて心臓が早鐘を打った。
 振り返ると、姪がきょとんとした表情でこちらをうかがっている。
 自分が意外なほど動揺していることに気付き、僕は笑いだしたい気持ちになった。

「何かあったの?」

「……いや」

 何もない。扉はどこにも繋がっていない。壁の向こうには意味のない袋小路があるだけだ。
 
「行こうか」

 僕はごまかすように答えた。
 姪は怪訝そうな表情を見せたが、さして気にするほどのことではないと考えてか、あまり追及してこなかった。
 



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