過去ログ - 姪「お兄ちゃんのこと、好きだよ?」男「……そう?
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21:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします[sage saga]
2012/09/11(火) 11:50:31.74 ID:Id582b34o

 中庭のヒーローショーは既に終わっていて、悪役の着ぐるみが風船を配っている。
 小さな子供たちが風船にはしゃぐ様子を見て、姪がうずうずしていたようだったので、「もらっておいで」と声を掛ける。
「いいの?」という顔で僕を見上げてから、少しの間逡巡していたが、彼女は結局駆け出した。

 日向にくると、さっきまでの不穏な感触はどこかに消えてしまった。
 気味の悪い感覚。きっと何かの錯覚だったのだろう。
 もしくは、自分の中の神経質で過敏な部分が、薄暗い、ある意味では異様なあの空間に反応したのかもしれない。
 ショールームには、どことなくそういう雰囲気がある。
 
 姪が駆けだすのと同時に、悲鳴とも歓声ともつかない声が催事場に響いた。
 子供の手から離れた風船が、勢いよく空へとのぼっていく。
 するすると糸に手繰り寄せられるように、風船は西の方へと昇っていった。
 
 僕はなんの気なしにその姿を目で追った。風船は展示場の建物の上を泳いでいく。
 
 その人物と目が合った。




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