過去ログ - 姪「お兄ちゃんのこと、好きだよ?」男「……そう?
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4:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします[sage saga]
2012/09/10(月) 22:07:46.33 ID:f2pJeNOlo

 彼女は怒らなかったし、僕を説得しようともしなかった。
 どちらにしても彼女の態度は同じだったし、そうである以上僕の返事も同じだった。

 じっさい、彼女の語るあれこれよりもよほど切実な問題が、現実には山ほどあるように、僕には思えた。
 金が必要だった。時間と住む場所が欲しかった。早く学校を出て、職に就かなきゃいけなかった。
 可能な限り早く独り立ちしたかった。金を貯めて、何が起きても大丈夫な状態にしておきたかった。一刻も早く。
 どれだけ困難であろうとも、そうしておきたかったのだ。

 でも、彼女はそんな僕を見て笑う。

「無理だって、そんなの」

 僕たちはきっと似た者同士だった。容器の形が違うだけで、中身はおんなじものだったのだ。
 本来ならひっかき傷程度で済む怪我が致命傷になってしまう。
 瓶にヒビが入って、中の水が漏れ出している。壊れてしまったものを直すことはできない。 
 ヒビの入った瓶は新しい水を受け入れることができないのだ。

 だからこそ、彼女の辿った結末を、僕だけはしっかりと覚えておかなくてはならないのだろう。




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