過去ログ - 姪「お兄ちゃんのこと、好きだよ?」男「……そう?
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41:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします[saga]
2012/09/12(水) 22:54:12.82 ID:rI6aBzuyo

「お兄ちゃん?」

 と声がして、僕は振りかえった。部屋の入口に姪が立っていた。

 立場としては叔父だったけれど、彼女が生まれたとき、僕は十歳だった。
 僕は当然のように叔父と呼ばれるのを嫌がった。三歳ごろになると、姪は僕のことを、姉や父母がそうするように呼び捨てで呼んだ。
 それもそれで不愉快だったので、僕は姪に呼び方を変えるようにと言った。
「お兄ちゃん」は、妥協点だ。

「なに?」

 僕が問い返すと、姪は視線をあちこちにさまよわせ、こちらの機嫌をうかがうような声を出した。

「どうかしたのかな、って、思って」

 不安そうな表情。自分だけは、彼女にこんな表情をさせたくないといつも考えていた。
 けれどそれは理想であって、僕だって失敗もするし限界はある。いつでも彼女を気遣えるわけではない。
 異変が大きすぎた、ということもある。

『それでも』、僕は可能なかぎり彼女にこんな表情をさせたくなかった。




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