過去ログ - 【咲-saki-】京太郎「俺がギャルゲ主人公？」ハギヨシ「お嬢様」透華「そ、その５！」 -SS速報VIP

過去ログ - 【咲-saki-】京太郎「俺がギャルゲ主人公？」ハギヨシ「お嬢様」透華「そ、その５！」

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443: ◆LA9PoGiCNE[saga]
2012/09/16(日) 02:52:20.76 ID:VCcjSqNso
→１・俺はいつか、本気のお前とも麻雀したい。

京太郎「俺はいつか、本気のお前とも麻雀したい」

咲「―――え？」

　耳に届いた言葉に一瞬、呆ける。
　顔を上げた先を待っていたのは、彼女にとっても初めてとなる京太郎の表情。
　穏やかで、それでいて前進以外を知らない胸を打つ力強い笑み。

京太郎「ククッ、なーに豆鉄砲食らったみたいな顔してんだよ」

咲「わ、私と打ちたいって……ぶ、部活で何回も打ってるじゃん……」

京太郎「でも、それは±０を目指して打ってる咲だろ……俺が打ちたいのは、そういうの関係なしに全力で――――俺のことを叩き潰しにくるお前なんだよ」

咲「…………そんなの、無理だよ」

　家族麻雀でお年玉を増やしもせず、減らしもせず終始させるために染み付いた癖。
　それを今更、消せと言われてもハイと頷けるはずもない。
　なによりこの癖は――――家族との思い出でもあるのだから。

咲「京ちゃんには……分かんないよ」

京太郎「――――ああ、そだな」

　悪いと思いながら反発した咲に、京太郎は苦笑いと共に頷いて同意する。

京太郎「和にな、ちらっと聞いた。この間の『ＷＥＥＫＬＹ麻雀ＴＯＤＡＹ』に載ってた宮永照って……お前のお姉さんなんだろ？」

咲「――――うん……」

京太郎「ま……咲なんかでもいろいろあるんだな、難しい話」(ｸﾞﾘｸﾞﾘ

咲「さ、咲なんかでもって失礼でしょ、咲なんかでもって…………って、ちょっと止めて、髪の毛かきまぜないで！？」

京太郎「うっせー、人のやる気に水差すよーなこと隠してるお前が悪いんだよ！」(ｸﾞﾘｯ…ｸﾞﾘｯ…

咲「水差すって、京ちゃんが勝手に私のこと敵視してるだけじゃない……！」

京太郎「バッカ、敵視ってなんだよ敵視って。さっき俺が言ってたこと覚えてないのか？」

咲「さっきって……ぁ――――」

　――――丁度、追いかけてみたい背中には困ってないしな

京太郎「最初はただのカモとか、数合わせのつもりで部に連れてったんだけど……ダメダメだと思ってた咲が、あんな…………あの時の俺じゃ、その凄さも理解できないような打ち手だって知って、正直悔しかった」

京太郎「でも、それと同じぐらい……スゲエって思って――――それで、俺もこんな風に麻雀上手くなれたらな、って……憧れた」

咲「京、ちゃん……」

　憧れた、の一言に胸が早鐘のように打ち始める。

京太郎「――――ま、それもこれも姉ちゃんのこととか、そういうの全部終わってからだな。ったく、もうしばらくは、お前の世話係を退職できそうにねえよ」

咲「あ、あう……」

京太郎「目を離したら道に迷うし、どんくさいし本の虫だし……まだまだ咲の近くにいてやんねーと。ホンット、手のかかるお姫様だぜー」(ｽﾀｽﾀ

咲「そ、そんな言い方することないじゃん！　京ちゃんこそ、私がいなかったらオッパイとかオモチとかろくでもないことばっか言うくせに！！」

京太郎「うーるせえ、オモチ馬鹿にすんなオモチはロマンだ神秘だ、至宝だ！　オモチこそ全て、オモチあってこその女の子なんですぅー！」

咲「あ、ヒドイ、それって差別だよ！　お、女の子は胸だけじゃないんだから……ホ、ホントなんだからね！？」

京太郎「へーへー、負け惜しみ乙」(ﾀﾞｯｼｭ

咲「も……もー！　もおーーーーー！！」(ﾂｲｾｷ！

　タカタカと走り出した京太郎を、手を振り上げて追いかける。
　大きな声を上げながら走る咲の頬が夕日や、いきなり駆けだしたせいだ、だけで説明つかないほど赤かったのは――――

咲「京ちゃんのバカッ！　京ちゃんなんか……京ちゃんなんか、大っっっきらい！！」

　そう罵る彼女の満面の笑みが語ってくれていた。

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