過去ログ - 【咲-saki-】京太郎「俺がギャルゲ主人公？」ハギヨシ「お嬢様」透華「そ、その５！」 -SS速報VIP

過去ログ - 【咲-saki-】京太郎「俺がギャルゲ主人公？」ハギヨシ「お嬢様」透華「そ、その５！」

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861: ◆LA9PoGiCNE[saga]
2012/09/22(土) 03:57:07.86 ID:zNrYq03So
　それまではせいぜい、好きに足掻け――

　雰囲気の豹変した京太郎に胸倉を掴む手を力任せに剥がされ、僅かに怯えを滲ませながら捨て台詞を残して本郷が立ち去った後、目の端に涙を溜めた透華が京太郎に小さく頭を下げる。

透華「きょ、京太郎……ケガは、ありませんの？　私のせいで、その、不快な思いを――――」

京太郎「いいんですよ、透華さんは悪くありません……」

　言いながら、ドサリと身を投げ出すようにベンチに座り直し、置きっぱなしになっていた弁当に手を伸ばす京太郎。

透華「ぁ……あの、無理して食べる必要は……」

京太郎「――――――――」(ﾏｸﾏｸﾓｸﾞﾓｸﾞ

　先ほどの本郷の言葉が堪えているのだろう、ビクビクと怯えながら食べなくていいと告げる透華を無視して、京太郎は次から次にランチボックスの中身を胃に収めていく。
　そうして程なく、全てを食べ終えてお茶を啜って一息ついてから手を合わせた。

京太郎「ごちそうさまでした……美味しかったですよ、本当に」

透華「――――ウソ、ですわ……」

京太郎「ホントです」

透華「ぜ、絶対にウソですわ……自分でもいろいろ、失敗したと理解しているのですから……」

京太郎「そんなの関係ないですよ……一生懸命作ってくれた、それがわかる……心のこもった弁当がマズいわけがないんです」

　言ってから、ほんの少しだけ苦しそうに笑う。

京太郎「ああ、でも……次作ってくれるなら――――もう少し量を控えめにしてくださいね……さすがに多い……」

透華「――――――――」

　表情こそふざけているが大真面目に要求してくる京太郎に、透華は暫し沈黙して――――

透華「フフ……気を付けるとしますわ」

　そう答えた彼女の顔には、普段の強気な印象を与えるものとは違う、穏やかで柔らかな微笑みを浮かんでいた。

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