過去ログ - 【咲：安価】京太郎「……家が無い」智紀「……その５」【龍門渕】 -SS速報VIP

過去ログ - 【咲：安価】京太郎「……家が無い」智紀「……その５」【龍門渕】

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34: ◆0CXAHEj7Mc[sage]
2012/09/11(火) 20:06:00.99 ID:7T2PWi8b0
衣「はっ……はっ……」

別に今日だけで全部稼げば言いわけじゃない。

けれど、後5日で全部稼がなければいけない。

それならば、少しでも手伝うしかないじゃないか。

京太郎の鞄から5000万残るようにお金を借りて衣は夜道を走る。

……昔、京太郎の後ろを尾行していた時、賭場の場所は知ってしまった。

ちゃんと覚えている、いつかいくことになるだろうと思っていたから。

衣「……見えた!!」

一度だけ見た景色。

そこには、京太郎を何度も迎えたあの男の人がいた。

衣「たのもう!」

ヤクザ「……んあ?」

ヤクザ「おいおい嬢ちゃん。子供はもう夢を見ている時間じゃないのか?」

衣「子供じゃない、衣だ!!」

ヤクザ「……衣ちゃん。悪いことは言わないほうがいいから帰ったほうがいいぜ」

衣「いやだ、帰らない。衣は麻雀を打ちに来たんだ」

ヤクザ「それならその辺の雀荘にでもかよいな。ここは衣ちゃんのような子供が来るところじゃない」

衣「子供じゃない、衣だ!!」

衣「……衣は」

衣「衣は京太郎のためにきた」

ヤクザ「――ほう」

衣を見るその目が変わった。

まるで鴨が葱をしょってきたのを見たような表情。

……衣を舐められている。

ヤクザ「……それなら、何が起こっても文句はいわねぇってことを了承してもらうけど、いいんだな?」

衣「うむ。衣は負けないからな」

怖気づくな。

弱みを見せたほうが負ける。

ヤクザ「……一点1円から500円まである。どこがいい」

私は迷わず500円を選んだ。

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