過去ログ - 【咲：安価】京太郎「……家が無い」智紀「……その５」【龍門渕】 -SS速報VIP

過去ログ - 【咲：安価】京太郎「……家が無い」智紀「……その５」【龍門渕】

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376: ◆0CXAHEj7Mc[saga]
2012/09/14(金) 02:44:26.13 ID:vI1rD0ij0
京太郎「ほら、深呼吸だ、深呼吸。すってー」

和「すぅー」

……あれ?

京太郎「はいてー」

和「はぁー」

京太郎君の顔が……

京太郎「すってー」

和「すぅー」

近づいて……

京太郎「えいっ」

和「むぐっ!?」

口をふさがれた。

幸いすぐ離されるも、心臓の鼓動が更に大きくなる。

もう少し長かったら倒れていそうだ。

和「おおお、落ち着こうとする人間に何をするんですか!?」

京太郎「いや、もしかしたらこれで落ち着くかなって」

和「落ち着くわけないじゃないですか!!」

京太郎「……ですねー」

和「自分が恥ずかしいんならそんなことやらないでくださいっ!」

京太郎「……はは」

そして沈黙する。

ずっとたって、視線を交わさずに向かい合う私たちがなんだかおかしくて、クスリと笑ってしまった。

ああ、もう恥ずかしい。

和「……あ、の、京太郎、君」

それでも話さないことには始まらない。

沈黙をすぐ破り、私は視線に映る彼の左手を両手で握った。

もう離さないぞ、とぎゅーっと握った。

そして、彼の顔に視線を向ける。

トクントクンと音が強くなる。

和「こ、れから、よろしくおね、がいします、ね?」

京太郎「こ、こちらこそ」

たどたどしく無理やり言葉をひねり出して頭を下げた。

ああ、もう恥ずかしい。

……でも。

少し前のもやもやがあった頃が嘘みたいに晴れ晴れとしていて、清清しい。

嬉しい、幸せだ。

……願わくば、この幸せが永遠に続かんことを、なんてね、くす。

つづく?

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