過去ログ - 【咲：安価】京太郎「……家が無い」智紀「……その５」【龍門渕】 -SS速報VIP

過去ログ - 【咲：安価】京太郎「……家が無い」智紀「……その５」【龍門渕】

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428:ちなみにスプーンの数は奇数で一つ偶数で二つだった ◆0CXAHEj7Mc[saga]
2012/09/15(土) 00:59:29.08 ID:EKjvtX4e0
京太郎「……責任持って俺が全部食べますよ」

健夜「責任って……何の責任？」

京太郎「……まあ、おごってもらったこととかでしょうかね」

京太郎「健夜さんだってこんな量食べたくないでしょう？」

健夜「……ま、まあ」

健夜「……太りたくないし」ﾎﾞｿｯ

京太郎「ですので、俺が頑張ります」

健夜「そ、そう？」

健夜「結構大きいけど……大丈夫？」

京太郎「おまかせあれ！」

健夜（……あれ、なんか駄目そうだ）

スプーンを握って一投目を口にいれる。

京太郎「……」ﾓｸﾞﾓｸﾞ

京太郎「……あ、美味しい」

健夜「本当？」

京太郎「ええ……この量、この味でこの値段なら文句なしですね」

これならスプーンも進むというものだ。

勿論クリームだけじゃなくそこに載っているデザートも全部美味しい。

……甘いものは別腹だなぁ、と思ったのだった。

健夜「……ね、ねえ京太郎君」

京太郎「むぐむぐ……んくっ……はい、なんでしょう？」

健夜「あの、ね……えっと」

健夜「……ひ、一口だけくれないかな、って」ﾎﾞｿｯ

京太郎「……はい？」

健夜「だ、だから私も。ちょ、ちょっと、ちょっとだけでいいから食べてみたいなって！」

健夜「京太郎君がそんなに美味しそうに食べていたら我慢できるわけないじゃん！」

京太郎「まあ……別にいいですけど」

はい、とスプーンを手渡す。

『先ほどまで俺の口に入っていたスプーン』を。

健夜「ありがとう、それじゃいっただきまーす」

健夜さんはクリームにそれを突っ込んで自らの口にくわえた。

『先ほどまで俺が舐めていたスプーン』の上に載るクリームを美味しそうに食べた。

健夜「……本当だ、美味しい」

京太郎「で、ですよね？」

健夜「ね、もうちょっとだけ食べてみていい？」

京太郎「ああ、はい。勿論です」

……気づいていないのだろうか。

気づいていないんだろうなぁ。

一心不乱にパフェを食べているんだから。

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