過去ログ - 【咲：安価】京太郎「……家が無い」智紀「……その５」【龍門渕】 -SS速報VIP

過去ログ - 【咲：安価】京太郎「……家が無い」智紀「……その５」【龍門渕】

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530: ◆tXdh2WZ0lM[saga]
2012/09/16(日) 01:22:53.33 ID:9vJDMqhe0
……しかし、自分で言っておいてなんだけど、デリカシー無いなぁ、俺。

一「きょ、京太郎君。どうしていきなりそんなこと聞くのさ！？///」

京太郎「いや、気になったから……」

一「気になったからってそういうことを普通聞くかなぁ！？///」

ごもっともである。

京太郎「言い換えるとですね」

京太郎「俺に自信がもてないんですよ」

京太郎「だから、本当に一さんが……衣さんも、俺が好きだということを」

京太郎「自覚出来無いんです」

京太郎「……だから、ちょっと聞いてみたくなったんです」

京太郎「ごめんなさい、流石に失礼でしたよね」

一「……えっと」

困ったような顔で一さんは俺を見る。

そんな顔で見られるのも当然だろう、もはや草食系を通り越して絶食系男子である。

……みっともないなぁ、何て思いつつも、その言葉を訂正できなかった。

情けなさに視線を落とす。

……本当に、俺のどこを好きになったのだろうか。

ただ、普通の――本当に普通の高校生だったはずだ。

たまたま借金という大きなものを背負った普通の高校生だったはずだ。

……だから、どうしても解せない。

どうしてこんな俺を好きになって――それも友情を超えた愛情で好きになってくれたのか

一「……京太郎君は、さ」

ポツリ、と一さんが話し始めた。

一「誰かを好きになったことって――恋人になりたいって思ったことある？」

京太郎「……はい」

ある。

確かに好きだった人はいた。

一「あ、いるんだ……」

一「……まあいいや、うん」

一「それでさ、京太郎君。その人をどうして好きになったか覚えてる？」

京太郎「……」

一「その人のどこを好きになったか覚えてる？」

京太郎「……いや」

一「……きっとね、恋なんてそんなもんなんだよ」

一「恋を最近知った僕の台詞じゃないかもしれないけどさ」

顔を上げると、苦笑した一さんが俺の顔を見つめていた。

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