過去ログ - 【咲：安価】京太郎「……家が無い」智紀「……その５」【龍門渕】 -SS速報VIP

過去ログ - 【咲：安価】京太郎「……家が無い」智紀「……その５」【龍門渕】

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585:あれ、そだっけ？ダメだ、マイスターがどうしても思いだせぬ ◆tXdh2WZ0lM[saga]
2012/09/16(日) 20:00:07.22 ID:9vJDMqhe0
京太郎「ええと、メールメール……」

京太郎「……あれ、すでに来てる？」

『私って働く必要あると思う？』

京太郎「……」

律儀にメールをしてくれるのはいいのだけど、まだその話題を引っ張るんですか。

京太郎「……少なくとも俺の指導くらいはしてください、今から。っと」

歩きながらポチポチとメールを打つ。

健夜さんの返信スピードが予想外に速いので余所見をする暇が無い、女子高生かあの人。

『え、今すぐ？ちょ、ちょっと待ってて私も頑張って向かうから！』

京太郎「……何してるんです――あてっ！？」

？？？「わっ！？」

携帯の画面ばかりみていたからそこにいる誰かに気がつかなかった。

どちらもゆっくりと歩いていたからか、こけることは無く互いの姿を見つめる。

京太郎「……ええと、衣さん、大丈夫ですか？」

衣「うむ、全然大丈夫だぞ」

京太郎「すいません、よそ見しながら歩いていたので」

衣「いやいや、京太郎の気配に気がつかなかった私が悪いんだ」

京太郎「……いや、流石にそれはないですって」

どう考えても俺が悪いだろう。

そもそも、後ろの人間の気配を探れることが当然というわけでもない。

しかし、このまま続けていても話は進まないので、切り替える。

衣「……ところで、京太郎は何をしてたんだ？」

京太郎「ああ、今から健夜さんのところに行く予定です」

衣「衣という存在がいるにもかかわらずか？」

京太郎「少なくとも今はまだ友達の部類です、衣さん」

衣「ということはこれからあがることがあるんだな。やたっ！」

京太郎「……」

いや、そうとも取れますけれども！

京太郎「……そんなわけで、夕飯までには帰ってきますから」

衣「ああ、いってら――」

衣「……」

衣「――いや、ちょっと待て京太郎」

京太郎「はい？」

衣「人に体をぶつけておいて簡単にいけると思ったか？」

……少なくともこの人はさっき自分が悪かったといったはずだが。

それを否定したのも俺だけどさ。

京太郎「……何してほしいですか？」

衣「衣もつれてって！」

衣さんは有無を言わさぬ笑顔でそう言ったのだった。

……別に、無理に断る話題でもないから、了承したが。

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