160: ◆axh.jP1Twpjg
2012/09/17(月) 13:51:03.32 ID:TvJv0Pak0
奉太郎「千反田ぁ……」
俺はベンチでうなだれていた。
もう気力は残っていなかった。
脚がガクガクして立ち上がることも出来そうにない。
この一年の千反田との思い出が、走馬灯のように甦っていた。
古典部への入部、『氷菓』事件、『女帝』事件、文化祭、そして……。
そして、春休みの雛まつり。
今にして思えばどれもいい思い出だ。
決して楽しいことばかりではなかった。苦い経験もした。
だが今となっては、それも含めていとおしく思えるから不思議だ。
これも千反田のおかげかも知れない。いや、きっとそうだ。
千反田が、俺の色気のない高校生活に彩りを与えてくれた。
里志言うところの『灰色』だった俺に……。
いかん、何だか泣けてきそうだ。
そのとき、よく聞き知った声が俺を呼んだ。
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