164: ◆axh.jP1Twpjg
2012/09/17(月) 13:56:51.48 ID:TvJv0Pak0
奉太郎「でも千反田……」
俺は並んで歩く千反田の肩を抱き寄せた。
える「あっ……」
奉太郎「もう俺に黙って、何処かへいなくなったりしないでくれ。お願いだから」
える「折木さん……」
千反田は少しの間俯いていたが、顔を上げると明るい笑顔で言った。
える「はい……、約束します」
思えば、人間突然この世からいなくなってしまう可能性はゼロではない。
突発的な事故や病気が、俺達を襲う可能性もなくはないのだ。
いや、そんな最悪の事態でなくても、こうして千反田と肩を並べて歩く日々もいつか終わりを迎えるのかも知れない。
そう考えると、今という時間が得難い宝のように思える。
さっき屋上で見た走馬灯。
あのように今が思い出に変わっても、俺は千反田とこうして並んでいられるだろうか。
……並んでいたいな。是非並んでいたい。
今を今だけで終わらせないために。
俺は何が出来るだろうかと、思案を巡らせていた。
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