過去ログ - 上条「迎えに、来たよ」フィアンマ「…うん」
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144: ◆2/3UkhVg4u1D[saga]
2012/09/26(水) 15:56:26.70 ID:uT0a65Uk0

御坂美琴は、雪の上にへたりこんで声にならない泣き声を漏らしていた。
もう少しで届いたのに。やる事があるから、なんて。

「ど、して…」
「…お姉様、とミサカは呼びかけます」
「どう、して」

ちぎれたストラップを握りしめて、少女はぼろぼろと涙を零した。
あんなに近い場所に居たのに、彼は自分の差し伸べた手を見て、申し訳無さそうに、払った。
優しい微笑みが、頭から消えない。目に焼き付いたまま。

私は、アンタが好きだったのに。
まだ、好きって言えてないのに。
電撃ばっかり向けて、意味のわかんない照れ隠しばっかりして。
ヤキモチを妬いて、結局、結局、ちゃんとアプローチ出来てなかった。
まだ、学生なのに。死んじゃった、の?
やる事って何なのよ。アンタがやらなきゃならないことなの?
そうね、アンタはそういうヤツだった。
でも、でも、自分の命を投げ出してまでやらなくたって良かったんじゃないの?

「こんな、こんなの…」

ストラップを強く握りしめて、美琴は肩を落とした。

「…せめて、さよならくらい、言わせなさいよ…」

女子中学生らしい、精一杯の、強がった後悔だった。



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