過去ログ - 上条「迎えに、来たよ」フィアンマ「…うん」
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◆2/3UkhVg4u1D
[saga]
2012/09/13(木) 23:44:51.33 ID:x6qDAtEW0
フィアンマはロマンチストである。
ロマンチスト
夢想主義ということは、夢見がちということ。
そこらの少女より夢を見やすいフィアンマは、告白の色よい返事に顔を赤くしていた。
破らないように、曲げてしまわないように気をつけつつも、手紙を抱きしめてしまう。
狼狽する。息が出来なくなりそうになる。嬉しいけれど、気恥ずかしい。
一般的に恋をした事が無い乙女がとりそうな態度を取りつつ、フィアンマは幾度も文面を読み返した。
ああ、自分が好いていたように、彼もまた、自分を好いて、愛してくれていたのか。
長年の恋心は、無事成就した。
同封のもの、と綴られていた物品は、少々洒落た小さい紙袋に入っていた。
破ってしまわないよう丁寧に開ければ、出てきたのは少しばかり作りが特殊なリボンタイ。
五角形の飾りのついた、深い赤色のリボンだった。
ファッション用のソレは、恐らく、自分がかつて手紙に記した内容から、考えてくれたのだろう。
上物はいつもどんなものを着ているのか、と聞かれたから。
セーラー服のようなデザインだと思う、と返した記憶がある。
「……、…」
気に入らない訳が無かった。
手紙を一旦テーブルに置き、今着ている服の襟に沿わせる形で結んでいく。
作りが特殊とはいえセーラー服にスカーフを結ぶ要領で進めていけば、問題は無い。
「……、」
大切に使おう、大事にしよう、そう思いながら、フィアンマは柔くリボンを握る。
「…八月、か」
十年近く、会っていない。
どれほど背は伸びただろうか。
相変わらずあの優しげな眼差しは変わっていないのだろう。
こんなにも八月が早く来る事を祈った事が、果たして今まであっただろうか。
「………」
上条の事を純粋に考えている間だけ、フィアンマは正常な人間に戻れる。
世界を救う事も、ローマ正教最暗部リーダーの位置にある事も、何もかも、忘れて。
―――自分を愛し、自分が愛した上条は殺されたとも、知らずに。
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