過去ログ - 上条「迎えに、来たよ」フィアンマ「…うん」
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9:『寒い夏の幕開け』  ◆2/3UkhVg4u1D[saga]
2012/09/12(水) 00:47:07.09 ID:zLGd1hxm0


魚を干した物で釣り上げた黒猫が、俺様を見上げつつ鳴く。
次の魚を寄越せということか、と口元を歪ませつつ魚を放った。
ぴょん。
飛び跳ねた猫は見事魚をキャッチし、その場で食べ始める。
しゃがみこんで頭を撫でるも、以前のような抵抗は見られなかった。

「美味か?」

にゃあ。
ごろごろと喉を鳴らす猫は、尻尾を揺らして曖昧な鳴き声を漏らした。
適当な意味合いで処理をして、魚を食べ終わり満足気な猫を抱き上げると、やはり抵抗は無く。
じっとこちらを見上げてくる黒猫と視線の先を合わせると、黒猫がまた鳴いた。
不吉の象徴とされている、黒猫。

不幸。不吉。不運。

何とくだらない。
そのような曖昧な概念の為に、何故ヤツが虐げられなければならないのか。
言うまでもなく、この世界が歪みきっているから、ということに他ならない。
今年の冬頃にはもう、ヤツが苦しめられることはないだろう。
『準備』は着々と進んでいる。長い期間と沢山の人手を消費した。
今年こそ最終段階。

「…当麻」

黒猫を地面に降ろし、空を見上げる。
もうすぐ夜明けだ。

「…俺様が救ってやる。お前も、この世界も。全てを」

この右手は、幸運は、その為に存在するのだから。
しかし、少々気がかりな点は。

「……、…『幻想殺し』が、上条当麻に備わっている、ということか」


今年は、失血死しそうな程に寒い夏だ。


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