37: ◆0WipXNi8qk[saga]
2012/09/14(金) 23:18:54.76 ID:zSW76R5do
それからすぐに日向さんと他の理科部のメンバーは部屋から出ていってしまった。
するとすぐに副会長の朱音さんが少し落ち着かない様子で切り出す。
「えっと、それじゃあ私達は新しい庶務候補の人の面接をやるわ」
「え、じゃあ立候補者はいるって事ですか?」
「うん。理事長の放送を聞いて、三名ほど」
朱音さんはそう言ってぎこちない笑顔を向ける。
やはりまだ俺に完全に心を開くということはできないらしいが、それもこうして一緒に仕事をしている内に平気になると思う。
同じ理科部の星奈だって最初は俺の事を凄まじい程に嫌っていたが、今では友達だ。
続いて書記の火輪が口を開く。
「役割分担は私と葵で記録。朱音さんと小鷹くんで面接者への質問などをお願いします」
「お、俺が質問?」
「う、うん。ダメ……かな? 日向さんがぜひ小鷹くんにやってほしいって言ってたから……」
「あー、いや、ダメって事ではないんだけどさ…………って日向さんが?」
「なんでも『あの凶悪面にも怯まない根性のある奴が必要だからな、くはははははは!!』とかって」
「……あの人は…………」
もうなんか日向さんらしいとしか言えない。
せっかくの立候補者なのに、面接官に悪名高いヤンキーを使うのはやり過ぎな気もする。
自分で言ってて悲しくなるが。
「凶悪面なんて、そんな事はないです! 小鷹くんはこんなにもイケメンじゃないですか!!」
「ありがとう葵……」
「な、なんか小鷹くんが悟りを開いたような微笑みを浮かべてます!!」
今の俺には、自分のことをこう言ってくれる葵はまるで天使のように見えた。
そんなこんなで、色々と嫌な予感しかしないのだがとにかく面接官をやることになった。
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