77: ◆0WipXNi8qk[saga]
2012/09/15(土) 18:27:15.30 ID:gamhTDduo
「小鷹、私は……お前と離れたくない」
「日向さん……」
「分かっている。お前には理科部がある。いつまでも生徒会には居られない」
日向さんは小さく笑う。
そして微笑みを浮かべたまま、俺のことをじっと見つめる。
俺は目を逸らさない。いや、逸らすことができない。
全てを包み込むその瞳は、穏やかな心地よさを与えてくれる。
「でもな、私は生徒会とか関係なくただお前と一緒に居たいんだ」
「そ、それって」
「あぁ。ずっと心のどこかで自問自答を繰り返していた。この気持ちはあくまで生徒会のためのものなのか、それとも他のものなのか。
その答えが今日出た。こうして新たな庶務が決まって、小鷹が元居た場所に戻る時になって初めて分かったんだ」
「――――私は、お前のことが好きだ」
凛として透き通るような声だった。
その声は耳を通り、頭に直接響き渡る。
俺は何もリアクションを起こせずにただ呆然とすることしかできない。
顔が熱を帯びるわけでもないし、心臓の鼓動が早まるわけでもない。
今起きたことを、現実のこととして処理しきれていない。
日向さんはどこか照れたように笑って、
「小鷹が生徒会から離れるという時になってやっと気付いた。いや、心のどこかではもう分かっていたんだ。でも確証がなかった。
今日を境にお前との距離が開いてしまうと考えた時、どうしても嫌だったんだ。生徒会なんて関係ない。私はどうしてもお前と一緒に居たかった」
「……これが、恋というのだろうな」
そうやって頬を染めてはにかむ日向さんは、息を飲むほどに可愛かった。
いつもは可愛いと言うよりも綺麗という感想が出るのだが、今の日向さんは本当に可愛い。
夕日の差し込む放課後、生徒会長と二人きり。
そして告白されるなんて、俺の今までの人生から考えると非日常すぎる。
夢なんじゃないかと手に爪を立てる。普通に痛い。
日向さんは楽しそうにさらに口を開く。
「くはは、この年になってやっと初恋というものに出会えたよ。
いいものだな。心が暖まる。毎日が楽しい。周り全てがいつもよりも輝いて見える」
「あ……お、俺…………」
「ん、あぁ悪かった。私だけ好き勝手に話しすぎだな。それじゃあ話を進めよう」
「私は小鷹と恋人になりたい。返事を……聞かせてくれないか?」
**************************************
【告白判定】
>>78の投稿時間のコンマ以下の数字で決定
VIPにかわりましてNIPPERがお送りします:2012/09/15(土) 00:00:00.(00)←ここ
20〜29、50〜59、80〜89→成功
848Res/321.66 KB
↑[8] 前[4] 次[6]
板[3] 1-[1] l20
このスレッドは過去ログ倉庫に格納されています。
もう書き込みできません。