過去ログ - える「折木さんも…ご経験がおありなんですか?」奉太郎「」
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(チベット自治区)
[sage]
2012/09/16(日) 05:48:38.70 ID:2r6A/1tO0
千反田はこくりと頷いた。先ほどまで下がっていた彼女の肩が、天井から引っ張り上げられたように上向いている。
「だが、『A』よりもっと見られたくない――他人に触れられたくないもの、『B』があった。それが、きっと薬品金庫に入っていたんだ」
「その、『B』というのは?」
「そこに入る前段階として、俺が疑問に思ったのは、何で薬品金庫なんかを、わざわざテーブルの下に隠していたか、ということなんだ」
そう、段ボールを積み上げた簡易テーブルの下に置かれていただろう、薬品金庫。もし煙草とライター……あとは灰皿に類似したものか、それらをとっさに隠すのなら、いちいち手間がかかる場所に俺だったら設置しない。それこそ、鞄の中に放り込めば済む。いくら臭いがするからといって、そこまで追及するとは考えにくい。
「『A』は、薬品金庫に入っていなかった。おそらく、棚か、適当な段ボールにでも入れていたんだろう。そこで、俺が「部屋を徹底的に捜索したい」と言って、遠垣内は焦った。それは『A』を見つけられては困るからだ」
「はい、そこまでは分かります」
「では、先ほどの疑問だ。どうして、薬品金庫を隠しておく必要があったのか」
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