過去ログ - える「折木さんも…ご経験がおありなんですか?」奉太郎「」
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5:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(チベット自治区)[sage]
2012/09/16(日) 04:12:39.72 ID:2r6A/1tO0
卒業式の後、ホームルームが終わると、俺は古典部の部室に来ていた。特別棟四回、地学準備室である。部室の窓の前まで椅子を持ってきて、窓枠に腕を乗せて眼下に広がる運動場を眺める。運動場では、卒業生と一緒に記念写真を撮っている生徒たちがたくさんいた。中には別れに涙している人もいるようだ。何故かサッカーをしている生徒もいる。サッカー部だろうか、最後の壮行試合、みたいなものか。
 欠伸をひとつして、腕時計を見ると、十二時を回ったところだった。今頃古典部の皆は、卒業生に挨拶でもしているだろうか。
 聡は、総務委員会と手芸部で、当然世話になった先輩がいるだろうから、古典部に顔を出すのは遅くなるかもしれない。伊原も同じく、漫画研究会で別れの会でもやっているだろう。では、もう一人の部員は――
「こんにちは、折木さん」
 と思ったところで、部室のドアが開く音ともに、凛と透き通った声がした。この学校で、俺を「さん」付けで呼ぶ奴は一人しかいない。
「ああ、お疲れ千反田」
 俺は振り向かず、入ってきた女生徒――千反田に右手を挙げて応えた。


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