931:>>1[saga]
2012/11/11(日) 18:32:50.44 ID:Kxh/q/TQ0
第四十九話
〜いどうちゅう〜
ロベルト「……ちょっとわからねえことがあるんだけどよ」
バードウェイ「どうした?」
ロベルト「グレムリンはキラウェアを噴火させるのが目的だ。だが、それは何のために? 単にアメリカにダメージを与えたいなら他にも方法があるはずだ。わざわざ人を操ってまでしようとする意図がわからねえ」
バードウェイ「大方、アメリカがターゲットというわけではないのだろう。いや、ターゲットではあるのだがアメリカだけではない。グレムリンはもっと大きな――――全世界、科学サイド全体にダメージを与えたいのだろうな」
ロベルト「ほう、お聞かせ願えるか」
バードウェイ「『起爆剤』はアメリカの研究所で開発されたものだ。そして、事件の過程で政府の議会や官系組織、軍、情報機関までもが歯車の一部に使われている。こんな中でキラウェア人口噴火なんて大規模なテロが発生すれば、民衆感情の矛先はテロリストだけに留まらない。むしろ、不甲斐ないアメリカ政府そのものに向いてしまう可能性がでてくる」
バードウェイ「その上、ハワイは地元住民より外国からの観光客のほうが何倍も多い。今回の件も犠牲者の大半は観光客となるだろう。つまり、一国の内側だけの問題ではなくなる。多くの国家、多くの政府、多くの政治家たちがキラウェア噴火までの経緯を徹底的に調査し、そして出てきた真実を前に、アメリカを激しく糾弾することになるはずだ。戦後でどこも金を必要としているしな。……だが当然、アメリカには全ての補償の要求に応じるだけの金はない。混乱は長引く」
ロベルト「なるほどな。自分たちはキラウェアの噴火っつーきっかけしか用意しない。あとはアメリカとその他の国で勝手にケンカを始めて自滅する。そんなことが起これば当然失業、貧困、飢餓のスパイラルとなり、さらに新興国家もまとめて被害を受ける。そうしてまた批判がでかくなってさらに負の連鎖が噴出すると」
結標「技術の中心は学園都市でも、経済をまわしているのはアメリカ。当然の結果よね」
土御門「アメリカの力を使って、アメリカの手で、アメリカに亀裂をいれる。それが重要なんだろう」
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