938:>>1[saga]
2012/11/11(日) 18:36:05.53 ID:Kxh/q/TQ0
海原が使った魔術『月のウサギ』は、アステカの神話で五つ目の太陽が作られたとき、一緒に生まれた月が太陽に匹敵するほど輝いて昼と夜がわからなくなったため、神々は月にウサギを投げつけてその光を弱めた、という伝承に基づいて作られた魔術だ。
この魔術を使ったテクパトルという男は、材料となる『ウサギの骨』を人骨で代用したために攻撃力が下がり、本来なら他天体に直撃するほどの威力でなければならないはずが、シェルターを破壊する程度に留まった。
だが海原――――エツァリは原典を読み込み、その理解を深めたこと、正規の方法で使用したことでテクパトルよりも大きな力を得ることができた。
しかし、それだけではあの爆発は起こせない。
『神々は月にウサギを投げつけることで光を弱めた』とあるが、エツァリはそこに別の解釈をねじ込んだ。
太陽に匹敵するほど輝いていた月は、神々により攻撃されたことで大規模なクレーターができ、爆発により舞い上がった粉塵で表面は覆われ、太陽が見えない夜のみ輝くだけの星となった、という解釈をしたのだ。
もちろん、太陽が輝いているのはガス状の天体のためいつでも燃え続けているからだし、月が自ら輝くなどありえない。
だが重要なのは『解釈』である。
月は輝いていた。だが神々により光は失われた。
エツァリは解釈を捻じ曲げ、材料となる『ウサギの骨』を『ウサギの剥製』とすることで神話(+解釈)の再現性を高めることにより、大幅に威力をあげることに成功したのだ。
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