45:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(チベット自治区)
2012/09/23(日) 21:38:44.89 ID:1b9p1gVU0
杏子は改めて槍を構え、あすみを一直線に睨みつけた。
その瞳はさっきまでとは、全く異なる。例えるのなら、草食獣を捕食する肉食獣の様。
あすみの背筋に、冷たい汗が一滴だけ流れ落ちた。
杏子が一歩足を踏み出した瞬間には、槍の切っ先が目前に迫っていた。
あすみ(……速いっ!!)
ブン、と鋭い音が空を切っていた。
あすみは身を反転させ、槍の軌道から消えていた。そのまま勢いをつけ、遠心力でモーニングスターを振り回す。
あすみ「そおぉぉぉい!!」
ガキィ、と今度は金属のぶつかる音が鼓膜を揺らす。
杏子は辛うじて防いだものの、ガード越しでも弾き飛ばされた。
倒れはしなかったが、大きくバランスを崩してしまっていた。
杏子(一発が随分と重たいじゃねぇか……)
あすみは、更に追撃の一手を繰り出す。杏子の頭上から、モーニングスターを振り落した。
ドン、と鉄球を地面にめり込ませて、土煙が再び舞った。
あすみ「……チィ。外したか」
杏子「そう、何発も振り回せる訳でも無さそうだな」
杏子は、口元をニヤリと吊り上げた。余裕がまだ有るのか。或いは、ハッタリなのか。
ただし、言える点は一つだけある。
その目は、全く笑っておらず、あすみを真っ直ぐに射抜いていた。
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