過去ログ - 【咲：安価】京太郎「……家が無い」純「その６だな」【龍門渕】 -SS速報VIP

過去ログ - 【咲：安価】京太郎「……家が無い」純「その６だな」【龍門渕】

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705: ◆tXdh2WZ0lM[saga]
2012/09/23(日) 01:15:19.12 ID:zOWPDuMH0
一「……京太郎君」

京太郎「はい」

思考を止め、一さんの言葉を待つ。

背中越しには彼女の様子がわからない。

ただ、時折、背中が少し揺れるだけ。

一「……えっと、ね」

一「その……僕でよかったのかな……って」

京太郎「……それはどういう意味で？」

一「……」

返答をしない。

少なくとも今日の話ではないだろう。

いや、今日の話は関係あるが……きっと本筋は別物だ。

そしてそれは簡単に思い浮かんだ。

京太郎「……俺は一さんがいいんですよ」

……いや、これだと足りないかな。

ちら、と後ろを振り向く。

……目が合ってしまった。

京太郎「一さんじゃないといやなんです」

体を反転させる。

一「ちょ……ちょっと、だから見ないでって――」

京太郎「こうしたら見えませんよ」

俺はそのまま彼女の体を抱きしめた。

彼女の肩の先に俺の顔を置き、その先の景色を見つめる。

京太郎「……一さん」

京太郎「俺は一さんが」

京太郎「……好きみたいなんです」

ぎゅ、と強く彼女を抱きしめた。

透華さんよりも、智紀さんよりも、純さんよりも。

……告白をされた衣さんよりも。

俺はきっと彼女が好きなんだ。

餅のように柔らかく、白く、温かい。

一「……は」

一「あはは」

一「……なんなのさ、もう」

京太郎「迷惑でしたか？」

一「……迷惑だよ」

一「嬉しくて、嬉しすぎて」

……君の顔が見れないんだから、と一さんは囁いた。

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