過去ログ - 【ストパン】土方圭助の憂鬱 その2【土方×もっさん】
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941:坂本圭助 ◆SWi.TNPI7Y[saga]
2014/01/11(土) 22:12:19.92 ID:pFymlYf00
「み、美千子?」
「あ、あの……申し訳ありません…………その」
「ずっとそこで聞いておられましたわね」
「え、えっと…………」

そう言って俯いてしまう。
山川さんの存在に気付いたうえで、中尉はあの話をしたのか。
縮こまる山川さんに、ペリーヌさんはしばらく視線を送っていたが、やがていきなり踵を返す。

「……では、私はこれで失礼いたしますわ」

そう言うと中尉は暗がりの中へ消えていこうとされる。

「あ、あの…………」
「こういったことに白黒はっきりつけるのは殿方のお役目ですわよ、圭助さん」

背後からかけた私の声に振り返りもせず、そう言い残すと中尉は闇の中へと去って行かれた。

「…………」
「…………」

残された私と山川さんの間で沈黙が降りる。
何とか声をかけようと口を開きかけた私の方に顔を向けると、山川さんは意外に落ち着いた声で告げた。

「あの、旦那さ…………圭助さん」
「はい」
「少し…………お話があります。お時間宜しいですか?」

そう告げる山川さんは私の目をまっすぐに見つめている。
鎮守府であの衝撃的な話を聞かされた日の夜。
まさにこの庭先で山川さんは私に言った。
私が一人で悩む姿を見ていられないと。
そのまま彼女は走り去ってしまったため話は中断してしまったが、あの時より彼女からこういう話があるのは予期していた。
だから、私は山川さんに向き直ると、小さく頷く。

「はい」

虫の声が、少し小さくなったような気がした。



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