過去ログ - 【ストパン】土方圭助の憂鬱 その2【土方×もっさん】
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978:坂本圭助 ◆SWi.TNPI7Y[saga]
2014/02/15(土) 22:43:59.95 ID:76hxQe0T0
それから数時間の後。

「こちらでお待ちください」

案内の女性兵士に連れられ、私は舞鶴鎮守府の談話室にやって来ていた。
現在、少佐は舞鶴鎮守府司令長官閣下の下へ挨拶に行っている。
談話室にはほかにも談笑する数人の兵士たちの姿があったが、私の方には一瞬視線をやっただけですぐに再び談笑へと戻る。
その空気に何とも言えない居心地の悪さを感じつつ、私は部屋の隅の椅子へと腰を下ろした。
敵地の真ん中で置き去りにされたような時間が十数分ほど(私には数時間にも感じられたが)過ぎたころ、入口の方から何者かが入ってくる気配と共に今まで談笑していた兵士たちが弾かれたように立ち上がる。

「き、北郷中佐殿!」

その言葉に、私も立ち上がって敬礼を送る。
振り向いた先には、車椅子に座った一人の女性士官の姿があった。
…………この方が北郷中佐か。
「軍神」と称されるほどの方にしては、この方の軍歴には今一つはっきりしないところが多い。
それは、中佐の最大の武勲と言われる扶桑海事変においても同様である。
あの事変において中佐がいかなる役割を果たし、どうしてこれほどの大怪我を負ったのか。
何故か、それが公的にに語られることはほとんどないと言ってよい。
事変をモチーフとした件の映画でも北郷中佐の出番はほとんどなかった。
そのことで、軍内部では眉唾物の噂なども飛び交っているが、実際に扶桑海事変に参戦された少佐はそのすべてに対し沈黙を貫いておられる。
ならば、少佐が進んで語られないものをこちらから無理に聞き出す趣味はない。


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