過去ログ - 【咲安価】京太郎「スマブラで鸞翔鳳集……だと……？」菫「４スレ目だな」【白糸台】 -SS速報VIP

過去ログ - 【咲安価】京太郎「スマブラで鸞翔鳳集……だと……？」菫「４スレ目だな」【白糸台】

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623:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします[saga]
2012/09/28(金) 22:49:19.25 ID:Ek8Mo6BSo
龍門渕父「・・・ん」

透華「あ、気が付かれましたか。お父様」

ゆっくりと意識が浮上する。
力を抜いた体が、自然と浮き上がるように。
あの喧嘩は、どうなった・・・？

龍門渕父「彼は、どうなった・・・？」

透華「そこでノビてますわ。最後の交錯は互いの一撃が互いの顔面に当たってダブルノックアウト。引き分けです」

龍門渕父「・・・この歳になっても、悔しいと思うとはな」

透華「もう！金輪際こんな事は止めて下さいな！これだから男の人は・・・」

娘に呆れられてしまったようだ。しかし、後悔はない。
体は痛いが、軽い。中に入っていたとびっきりの重みが、抜けたからだろう。
直接拳を交えるなど何年ぶりだろうか・・・

透華「・・・お父様」

龍門渕父「なんだ」

透華「申し訳、ありませんでした。お父様にそんな気持ちを味あわせておきながら、わたくしは今までのうのうと・・・」

龍門渕父「いや、謝るべきは此方だ。父親が娘にこんな気持ちを抱くなど、それこそ有ってはならないことなのだからな」

透華「・・・私達が本音で話し合ったのは、今日が初めてかもしれませんわね」

龍門渕父「・・・普通の親子なら、当然の事だろうにな」

こんなにも、歪んだ親子の関係。
だからこそ、ここでありったけの本音を、一言で。

透華「・・・お父様。私は」

透華「一人の娘として、一人の父親である貴方を、慕っておりますわ。貴方はわたくしの誇りの父親です」

龍門渕父「こんな、情けない父を・・・お前は・・・」

透華「情けないなんてことはありませんわ。わたくしの父親ですもの」

龍門渕父「・・・彼を連れて、行くといい。もう警備に話は通っているはずだ」

透華「お父様？」

龍門渕父「この部屋から出るのだ。男には、見られたくない姿もある」

透華「・・・失礼します」

そして部屋には男が一人。

龍門渕父「・・・嬉しくとも、感極まれば涙が出るというのは本当だったのか」

龍門渕父「涙を流したのも、何年ぶりか・・・クッ」

その顔を、見るものは居ない。

こうして、一夜の小さな戦争は終わりを告げた。

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