80: ◆USZbC4nXcg
2012/09/24(月) 07:23:48.38 ID:6QMJ92nIO
佐倉さんまで死んでしまっては、魔法少女がゼロ……
戦う人が居ない。
鹿目さんが契約してしまう。
例え私が一人で向かっても勝てないし、鹿目さんも私の力を信じてはくれない。
81: ◆USZbC4nXcg
2012/09/24(月) 07:27:25.07 ID:6QMJ92nIO
「落し物を渡すことも嫌がられるなんて、私ってそんなに……」
「……こんな暗い奴誰でも嫌だよね」
82: ◆USZbC4nXcg
2012/09/24(月) 07:33:15.63 ID:6QMJ92nIO
ふと見回すと、さっきまで居た路地の風景ではなく、ラーメン屋の濃ゆい臭いもしない。
爽やかな風が吹く大空にロープが張り巡らされ、そこにセーラー服が干してあるというワケのわからない風景。
ロープを下半身だけの制服姿の女子がスケート履で滑っている。
83: ◆USZbC4nXcg
2012/09/24(月) 07:37:19.32 ID:6QMJ92nIO
意味不明な空間だが、危険なことだけはわかる。
ロープから足を踏み外せば奈落の底へ真っ逆さま、そしてあのスケート履で蹴られたらひとたまりも無い。
そして、あの巨大な女子生徒にはたかれれば当然足を踏み外す。
84: ◆USZbC4nXcg
2012/09/24(月) 07:41:48.60 ID:6QMJ92nIO
そうこうしている間に、下半身だけの化け物がこちらに向かってくる。
逃げなければならないはずなのに、下半身にこれ以上力が入らない。
普通なら腰を抜かしてしまうところを、必死で耐えて、足を踏み外さないようにしている。
それが精一杯だった。
85: ◆USZbC4nXcg
2012/09/24(月) 07:44:39.63 ID:6QMJ92nIO
「この宝石に……念を込めたりすれば……」
紫色の宝石を握り、その手を睨みつける。
「お願いだ!助けてくれ…!」
86: ◆USZbC4nXcg
2012/09/24(月) 07:49:08.89 ID:6QMJ92nIO
87: ◆USZbC4nXcg
2012/09/24(月) 07:54:52.46 ID:6QMJ92nIO
キリカ「拾ってくれてありがとう。この二日で頭が冷えたわ。私はまた戦うことができる」
盾から爆弾を取り出し、時間停止をかける。
キリカ「慣れない身体でこんな狭いところを走れるかしら?」
88: ◆USZbC4nXcg
2012/09/24(月) 07:59:28.73 ID:6QMJ92nIO
キリカ「この人の身体なら爪が使えると思ったけど、残念ながらそれは無いわね。あったならそのセーラー服を引き裂いてやろうと思ったのに……」
どこまで身体があるのかは気になる。
一気に駆け寄り、スカートの中に爆弾を投げ込み、撤退し、停止解除。
89: ◆USZbC4nXcg
2012/09/24(月) 08:06:32.96 ID:6QMJ92nIO
相変わらずの爆発音が起き、結界が崩れ始め、爽やかな広い空と柔軟剤の匂いの代わりに建物に切り取られた空とラーメン屋の匂いがある場所に戻される。
キリカ「いつまでも他人の身体を借りるわけにも行かないわね……早く元の身体に戻らないと」
「それより、どうやったら彼女に身体を返せるのかしら?」
90: ◆USZbC4nXcg
2012/09/24(月) 08:17:08.82 ID:6QMJ92nIO
夢を見ていた。
いや、夢のように見ていた。
宝石に意識を奪われた後、自分の身体が勝手に動くのがわかった。
すぐに意識は取り戻したが、身体は自分では動かせない。
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