過去ログ - アイドル「休暇中にSAOってオンラインゲームしたら閉じ込められた」※微鬱注意
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140:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします[saga]
2012/10/01(月) 20:46:20.16 ID:6PrWWZ5DO
>>123
「ギギィッ」

丸々と肥え太った醜悪な化け物が、森のただ中で行く手を阻む。

成人男性並みの体長、黒く濁り切った瞳。
緑色の体皮を持つ化け物は、目が合った人物――シリカを目標に定めると、わき目も振らず駆け出した。

化け物は丸腰だ。
間合いが離れている間はリーチの差を生かした、惜しみない投擲。絶対数こそ少ないものの、ダガーとトマホークが次々と降り注ぐ。

横合いからロレスが斧を振り回す。それでも化け物は執拗にシリカを狙い、どすどすと走り続ける。そして、化け物がシリカを間合いに入れた刹那――――、

スラスト「スイッチ!」

シリカは飛びじさり、後ろ手に控えていた自分が飛び出す。
絶妙のタイミングだった。
あわや直撃かというところで化け物の腕は空を切り、お返しとばかりにロッドの殴打が炸裂。
攻撃準備中の化け物をめった打ちにした。

続いて戦斧、トマホークの直接攻撃、そして。
敵が大きく仰け反った瞬間、ダガーも加えての一斉攻勢。
追撃に次ぐ追撃でたこ殴りにされた化け物は崩れ落ち、ついには、青い光の粒子となって四散した。

シリカ「やったぁノーダメージですよっ!」

ミミちぃ「ふっ、戦いの勝利はいつもわたしを虚しくさせる……てね? やったぁーっ!!」

ロレス「元気はいいことだ、この調子でいこう」

ぴょんぴょんと跳ねて喜ぶ二人に、ロレスが温かい視線を送っている。
パーティの雰囲気は上々であった。

ロレス「にしてもたまげた。ゴブリンの攻撃を全部読み切っちまうとはなあ」

シリカ「アイドルさんすごいです! またレベル上がりましたし、もっと楽になりますね!」

スラスト「職業柄リズム感はいいから」

称賛の声に謙遜もなく返す。

戦闘中、自分の指示でみんなに動いてもらっていたのだが、やったことは単純だ。
ゴブリンが一定周期で攻撃行動に移るタイミングを計り、指示で教えただけ。

今回の場合、シリカが『スイッチ』という声を聞き取った瞬間、最も効果的なタイミングとなるよう調整した。

ミミちぃ「もー、絶対音感のアイドルちゃんが言うとわたしに対する嫌みだよー?」

スラスト「ふふ、ごめんねー」

みんなで投擲した武器の回収に励む合間、軽口を叩き合う。

今のレベルはみんな揃って六。
レベルの概念が分からないロレスは別として、順調な滑り出しに思える。

今ちょうど倒した化け物――ファット・ゴブリンは初見こそ高い攻撃力に苦戦したものの、今や単体で遭遇すれば敵じゃない。
連携とレベルアップの恩恵だ。

肝心のお嬢様はいまだ影もつかめていないが、連戦の消耗は今のところ無きに等しかった。



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