過去ログ - アイドル「休暇中にSAOってオンラインゲームしたら閉じ込められた」※微鬱注意
1- 20
144:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします[saga]
2012/10/01(月) 20:55:34.34 ID:6PrWWZ5DO

スラスト「申し訳ないんですが……」

シリカや同僚と連れ歩いている手前、引き受ける訳にはいかない。

そう判断して断る旨を伝えようとすると、クラインは鷹揚に笑った。

クライン「ああ、いや。気にしなくていいっすよ。俺らも迷ってるところだったし」

スラスト「……そうですか? それじゃあ」

またどこかで、とでも言おうとして。

スラスト「――――え?」

違和感。
先ほどまで見えていた景色と今の景色、両者に微かな違いを感じる。

それは木々の描く森の輪郭だったり、路傍に転がる石や葉っぱだったり。
細やかな違いではあるが、こうではなかったと訴えかける感覚を見逃せない。

間違い探しの絵でも見せられている気分だった。

クライン「ん? どうかしたんすか?」

スラスト「地形が……変わってる」

クライン「へっ? ハハッ、んな馬鹿、な……?」

最初は笑って取り合おうとしなかった彼だが、言われて見渡し、そして顔を強ばらす。

「地形? 別に変わってなくないか」

「いや、よく見ろって。あそこにあんな茂みなかった」

「よく分からんな……」

シリカ「同僚さん……わかりますか?」

ミミちぃ「あ、あはは、記憶力ってあんまり自信ないんだよね……」

皆の意見は分かれていた。
どちらかというと疑う人の割合が多く、ともすれば全くぴんとこない人もいる様子。しかし、

ミミちぃ「アイドルちゃんアイドルちゃん、それって本当なの?」

スラスト「こんなときに冗談は言わないよ」

ミミちぃ「アイドルちゃんがそう言うなら相当だよねぇ……」

「……アイドルさんってたしか」

「ああ、記憶力めちゃくちゃ良いって話だよな」

「でもなあ……」

自分が太鼓判を押したお陰か、何人かは意見に変化の兆しが見え出す。

自分の記憶力の程は周知されている。
以前、隆盛を誇っていたクイズ番組の影響であり、記憶術の謎に迫る、なんて色物企画まで組まれたくらい。
自分としても、その精度には多少の自信がある。

あまりに唐突な状況の変化だ。まさか、という一抹の疑いは拭い切れていなかったが、保険はかけておきたかった。




<<前のレス[*]次のレス[#]>>
197Res/171.86 KB
↑[8] 前[4] 次[6] 板[3] 1-[1] l20
このスレッドは過去ログ倉庫に格納されています。
もう書き込みできません。




VIPサービス増築中!
携帯うpろだ|隙間うpろだ
Powered By VIPservice