過去ログ - アイドル「休暇中にSAOってオンラインゲームしたら閉じ込められた」※微鬱注意
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79:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします[saga]
2012/09/24(月) 17:06:40.28 ID:+Qh8MgnDO

最早、おろおろしていられる段階じゃない。
このままでは、状況に流されるばかりだった。

全身に走る震えを噛み殺す。

そして。

覚悟を、決めた。

スラスト「皆さん、私は大丈夫です。お騒がせ致しました」

楚々とした仕草で一礼。

自分の声を耳にしたとたん、あれほど騒がしかった声が一瞬、ぴたりと止む。

「お、おいこの声本物だ、間違いない」

「マジなのかよ……」

瞬時にざわめきが広がる。

そして、

「おいこっちにもアイドルだ! しかも所属事務所が同じの!」

「ちょっ、ありえねえだろ……マジで?」

「てか、あれあそこにいたアバターってたしか……」

「嘘だあの筋肉ダルマ同僚ちゃんだったのか!?」

「そっちにアイドルが走っていったぞ! みんな道を開けろ!」

ミミちぃ「アイドルちゃん!」

人垣を割って飛びだしてきたのは、薄々察していた人物だった。

スラスト「同僚……」

ミミちぃ「アイドルちゃんアイドルちゃん!!」

スラスト「ちょ、ちょっと……落ち着こう? ね?」

ミミちぃ「アイドルちゃぁぁぁぁん……そんな、来ちゃってたなんて……」

わんわんと泣き崩れる同僚。
パニックに陥っているのだろう。完全に取り乱していた。

抱きついてくるのを優しく受け止め、抱きしめ返す。

必然的に、いつもとは違う接し方だった。
今の自分はアイドルとして振る舞わなければならない。
そう判断していたからだ。

スラスト「うん……大変なことになっちゃったね」

ミミちぃ「アイドルちゃん……ごめんっ、ごめんねぇ……っ」

異様な話の流れに周囲の人達は当然戸惑っていた。

「お、おい……どうなってんだあれ」

「もしかして……同僚ちゃんがゲーム紹介でもしたんじゃないか?」

「あ、そういうことか……」

「そりゃあ謝り倒しにもなるよな」

くそ。うるさいな、どっかいけ。

無論、そんな本音は口にできるわけもなく、同僚と抱きしめ合っているしかない。

好き勝手な推論があちこちに飛び交う。まるで、見せ物にされている気分だった。



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