過去ログ - 【咲‐Saki‐】京太郎「俺がギャルゲ主人公?」華菜「笑えないし!」透華「その6!」
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801: ◆LA9PoGiCNE[saga]
2012/10/01(月) 21:35:37.77 ID:2J//niOgo
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咲「ケガ、してるんだよね……?」

京太郎「…………階段でちょっと転んだだけだって」

咲「うん、嘘だよね」

京太郎「なんでそー思うわけ?」

咲「わかるよ、中学の時からの友達だよ?」

京太郎「なるほど、凄い説得力だこと……」

 身も蓋もない先の根拠に、「たいした奴だ……」とシニカルな笑みを浮かべる。
 額に張り付いた髪の毛を掻き上げて、長々と息を吐き出す。
 鎮痛剤が効いてきたのか、先ほどよりも視界が鮮明になっていた。

京太郎「――――っし! じゃあ俺、決勝後半戦があるから……」

 ここで話を続ければ、確実にややこしいことになる。その予感からわざと明るく切りだして、その場を立ち去ろうとする。
 しかし、『中学の頃からの付き合い』で稼いだ経験値は、運動オンチの誹りを受ける彼女にも素早い行動を可能とさせた。

咲「――――っ……!」

京太郎「あのなあ、咲さん……服、引っ張られたら困るんだけど」

咲「ゴ、ゴメン、でもさ……」

 ぐっ、と上着の裾を掴まれて渋々足を止めて振り返る京太郎に、顔を伏せた状態で咲が蚊の鳴くような声を漏らす。
 そんな少女に、京太郎は困ったように笑った。
 顔を伏せている以上、それは咲には見えない表情ではあったが、声にもその苦笑している雰囲気が滲み出ていると察するぐらいはできた。

京太郎「そんなに心配すんなって。打つのに支障はねーよ」

咲「だって、でも……!」

 服を掴む手に力が篭る。
 その咲の手を、京太郎は――――怪我をしているはずの右手で軽くチョップする。

京太郎「……とうっ」

咲「ぁう……!?」

 非力なことこの上なし。
 京太郎の一割に満たぬ力で繰り出した手刀に、咲の手が驚くほどあっさりと外れてしまう。

咲「ちょ、ちょっと、こういう場面でどーしてそんなことするの……?」

 うるうると目を潤ませながらの抗議に、どう言い繕ったものかと頬を掻きながら思案した末に、京太郎は言葉を選び選び指摘を口にした。

京太郎「咲、お前……麻雀牌より重いもの、持てるか?」

咲「普通に私、本読んでるよね!? 意外と重いんだよ、ハードカバー!」

京太郎「…………なんとなくお前の限界が見えたから、もう喋んなー」

 顔を真っ赤にして憤慨する咲に、むしろ「この子はどうしたもんか……」と糸目状態で天を仰ぐ。


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