過去ログ - 【咲‐Saki‐】京太郎「俺がギャルゲ主人公?」華菜「笑えないし!」透華「その6!」
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899:モモとかは短編考え中 ◆LA9PoGiCNE[saga]
2012/10/04(木) 20:11:12.92 ID:7vBTUv5Io
美穂子「か……華菜……?」

 会場から戻ってきた華菜を見て、まず美穂子が口にしたのはそんな疑問の声。

華菜「――――――――」

 上着の丸首の部分を頭まで引っ張り上げて、昔の光の巨人が主人公の特撮に敵役で登場した、怪獣になった宇宙飛行士のような格好で現れたのだから、それも当然。

緋菜「おねえちゃん、どうしたし?」

菜沙「もしかして、へこんでるし?」

城菜「おねえちゃんがんばったし、胸はるし」

華菜「ぅぐ……ぅぅぅっ――――!」(コク… コク…

 目を覚まして出迎えた妹達に、モゴモゴと呻きながら首を振っている。

美穂子「華菜……あなた……」

 もしかして、泣いているのか。
 それを聞くことができるほど、福路美穂子という少女は愚鈍ではない。

未春「華菜ちゃん……」

純代「――――」

星夏「池田先輩……」

 部の仲間達が見守る中、華菜が……服で顔を隠したまま小さく言った。

華菜「みんな……ゴメン……私、負けちゃったし」

 いつも強気で、図々しさをアピールしている華菜とは思えない弱々しい声。
 何も言葉を掛けられない一同に代わって言葉を発したのは、手にコンビニの袋を提げた貴子だった。

貴子「そんなに恥ずかしい打ち方をしたのなら、うちの部から出ていけよ」

華菜「…………」

 その貴子の言葉に、華菜が顔を隠す上着を下ろす。
 涙や、鼻水でぐしょぐしょになった顔を晒しながら、それでも池田華菜という少女は……強気で、図々しくあることを良しとした。

華菜「まだ……まだ、頑張るし……!」

貴子「――――よし」

 その一言に、貴子の華菜に対する期待の全てを見ることができた。

貴子「お前ら、ホテルは連泊できるよう学校や親御さんに許可は取っておいた。ホテル戻ってそのまま寝たい奴は泊まっていっていい」

 それだけ告げて、踵を返す。

貴子「……ああ、忘れてた。お、おい、小池ーズ」

緋菜「小池ーズって呼んでいいのにいちゃんだけだし!」

菜沙「おねえちゃんいじめる怖いねえちゃん、どっかいけだし」

城菜「おはなしだけは聞いてあげるし」

貴子「ぅ……別にいじめとか、そんなんじゃ……」

 幼子三人から総叩きにあってクシャリと顔を歪めた後、貴子が手に持っていたコンビニ袋を緋菜達へ差し出した。
 袋一杯に詰まっていたのは、プロ麻雀せんべい。

貴子「き……気が向いたから買ってきた。も、もう夜遅いから明日のおやつにするんだぞ、わ、わかったな!?」

 おやつと言うなら、もう少し他に選択肢はなかったのかと聞きたくなる、そんなチョイス。

緋菜「わーい、おねえちゃんいい人だったし!」

菜沙「しょ、しょーがないからゆるしてあげるし」

城菜「レアカードいっぱいゲットして、おにいちゃんに自慢するしー」

貴子「フ、フン……じゃあな、私はか、帰る!!」


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