過去ログ - 【咲:安価】京太郎「……家が無い」京太郎「その7ですね(裏声)」【龍門渕】
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35: ◆tXdh2WZ0lM[saga]
2012/09/24(月) 23:54:30.66 ID:4Wmr30UN0
京太郎「……だから」

静かに俺は声を出した。

京太郎「一さんは決して役立たずではありません」

京太郎「ましてや、羨ましさ、妬ましさ、悔しさ、苦しさを感じる必要なんてありません」

京太郎「……別にお金を稼ぐことだけが全てじゃないんです」

京太郎「こうして俺と話したり、帰ってきた俺を迎えてくれたりしてくれるだけでも俺の助けにはなっています」

京太郎「……あ、ああそれとそんな妄想を俺に届けてくれることもですね、うん!」

……ああ、失敗した。

ここでどもってしまったら言葉に説得力が無い――俺の言葉が嘘になってしまうじゃないか。

京太郎「な……なーんて、ちょっと上から目線すぎましたね。あはははははは!」

一「……京太郎君」

京太郎「いや、でも本当に俺は――」

何とかごまかそうと、なんとかそれをそのまま通そうと台詞をまわそうとする。

ああ、もう。

物語のこういう時に簡単に相手を説得できるようなことを言えるスキルがこの上なく羨ましい。

一「……っ」

目線をあっちこっちに動かして次の言葉を考えていた俺に一さんは抱きついた。

いや、抱きしめた。

一「……あのさぁ、そんな嘘が通じると思ってるの?」

顔を見せず、俺の服に顔を埋めて一さんは声を発した。

少しだけこそばゆい。

京太郎「……ですよねぇ」

一「それに、そんな嘘で勘違いしちゃったらどうするのさ」

一「……こんなやり方で決着がついたら衣が怒るよ?」

京太郎「……」

京太郎「一さんを慰めることで頭がいっぱいでした」

一「それで浮かんだのがそれ?」

京太郎「はい」

一「馬鹿じゃないの?」

京太郎「……ごもっともです」

一「……」

一「それで泣き止む僕も大概馬鹿だけどさ」

京太郎「……」


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