過去ログ - ほむら「アリゾナは」杏子「今日も暑い」
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◆2GQkBO2xQE
[saga]
2012/09/26(水) 22:17:20.36 ID:tiLKgAlSo
「なら、犯罪者らしく振る舞わせてもらおうかしら。――死にたくなければそこを退きなさい。私は銃を持ってるわ」
ほむらがその脅しを口にした瞬間、倉庫内の空気ががらりと変わった。
余裕ぶった女の口元から笑みが消え、手足が強張るのをほむらは確かに視認し、なるほど、効果覿面だという密かに関心。
実際の彼女は歴とした不法侵入を遂げた上、防犯者に対して銃を突きつけるという、人間として相当おかしいことをしていたのだが――
ほむらはそんなことはおかまいなしとばかりに、べらべらと銃の性能を解説し始めた。
「この拳銃はベルギー製のFN57マシンピストル。百メートルの距離から一般的な防弾着を貫通出来る高速弾を合計二十発装弾できる軍用品。
しかも、私は百発以上の予備弾薬を保有している。あなたが何人援軍を呼んでこようと物の数では――」
「――なるほどぉー。……女だと思って甘く見てたけど、まさかここまで腐り果てた下衆だったとはね……!!」
更なる脅しに威嚇射撃の一発でもしてみせようかとほむらが思ったその時、倉庫内に恐ろしい怒気が充満した。
『――ッッ!?』
超感覚の塊である杏子とほむらは、その渦巻く感情の奔流を、魂の奥底で感じ取った。
それは肌の焦げ付くような怒りの爆発。コロナのように燃える闘志。
そして内臓を貫き引き裂くような――極大にして確たる殺意。
超越者である二人をここまで威圧出来る常人など、この世には存在するはずがなく――よって、敵は常人ではない!
「あんたらみたいなフ○○キン・○ットの頭皮はいらない! ……首を叩き落として、ビースト達の餌にしてやる!」
女は汚らしい言葉で二人を罵ったあと、腰のスカートから何かを取り出して口に咥えた。
ぎりぎりの緊迫感の中、ほむらより開けた場所にいた杏子が目にしたそれは、直線的なフォルムを持つ簡素なパイプ。
それを支える右手の指先に光るのは――魔力を秘めた銀の円環。
「あたしはジョディ! 『大渓谷の魔法少女!』 あんたら汚い盗人を、荒鷹の谷に投げ打つ女だ!」
『レッド・ガール』がパイプを吹くと、白い煙が二人を取り巻き――獣に変わって襲いかかった。
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